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坂野国際特許事務所
代表: 弁理士 坂野博行
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-更新履歴-
















 著作権制度

目次

 ・著作権制度

  ・知的財産権と著作権制度

 ・著作権の説明

  ・著作権の概要
  ・著作権
  ・著作者の権利
  ・著作物 
  ・著作者人格権
  ・著作権(財産権)
  ・著作隣接権
  ・実演家の権利
  ・レコード製作者の権利
  ・放送事業者の権利
  ・有線放送事業者の権利


知的財産権と著作権


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 著作権の説明

著作権の概要


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著作権

 著作権は、大きく、著作者の権利と著作隣接権に分けて考える事ができます。

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著作者の権利

 著作者の権利は、大きく、著作者人格権と著作権(財産権)に分けて考える事ができます。著作者人格権とは、著作者の著作物についての人格的利益を保護する権利をいいます。そのため、譲渡することができない一身専属的な権利です(著作権法(以下著ともいう)59条)。
 一方、著作権(財産権)とは、著作権法上で狭義の著作権ともいわれていて、財産権としての権利のみ、すなわち著作財産権をいいます(著17条)。


著作物

 著作物というのが、たくさん出てきますので、最初に「著作物」について簡単に説明します。著作物とは、「思想又は感情を創作的に表現したものであって、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するもの」をいいます(著2条1項1号)。
 「思想又は感情」とは、精神的活動の表現である事が要件ですので、例えば、客観的事実にすぎない単純なデータの列記等は著作物にはなりません。
 良くご質問を受けて驚く事は、著作権でアイデアを保護できると勘違いしている方が非常に多い事です。表現を保護するのが著作権法であり、「アイデア」が保護されるわけではありません。
 表現自体が保護されるのであって、その背後にある「思想」、アイデアまで保護されるものではありません。
 例えば、新しい物の製造方法は、アイデアであって著作物にはなりません。
 それでは、この新しい物の製造方法を手順を追って解説書を書いたとします。
 解説書をどのような形式、表現によってなされたかなど、著作者の思想が表れることになるため、その意味で解説書自体は、言語の著作物という事になります。
 但し、これは、解説書に書かれている物の製造方法が保護されたというのでは決してありません。
 もし、アイデアを保護したいとおもうのであれば、特許実用新案意匠等他の法制度による保護が必要となります。

 なお、ロゴマークの著作物性が争われた判例について、詳細は、判例のご紹介(判例紹介、著作権)、1)著作物と商標の関係:事例1 平成6年(ネ)第1470号をご参照ください。 

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著作者人格権

 著作者人格権の具体的内容は、公表権(著18条)、氏名表示権(同法19条)、同一性保持権(同法20条)です。
 公表権とは、まだ公表されていない自分の著作物について、公表するかしないかを決定できる権利です。
 氏名表示権とは、自分の著作物を公表するときに、著作者名を表示するかしないか、表示するとしたら実名か変名かを決定する権利です。
 また、同一性保持権とは、自分の著作物の内容、題号を意に反して無断で改変されない権利です。
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著作権(財産権)

 著作権(財産権)は、大きく、コピーを作る事に関する権利、コピーを使わずに公衆に伝える事に関する権利、コピーを使ってその複製物により頒布する事に関する権利、及び二次的著作物の創作・利用に関する権利に分けて考える事ができます。

 【コピーを作る事に関する権利】
 コピーを作る事に関する権利とは、いわゆる複製権(著21条)をいいます。複製権は、手写、印刷、写真、複写、録音、録画等どのような方法であれ、著作物を「形ある物に再製する(複製する)」事に関する権利です。
 すべての著作物が有する最も基本的な権利です。

 また、著作権法上、出版権の設定が認められています(著79条〜88条)。
 通常、著作権者から独占的な出版の許諾を得て、他の出版社から別途出版される事を防止しようとしても、他の出版社に対して、出版の中止や損害賠償を求めたりはできません。著作権者に契約違反の責任を主張できるだけです。かかる事態を防止するために、著作権法上、出版権の設定が定められています。
 但し、文化庁に申請して、出版権の設定の登録を受けなければ、第三者に対抗する事ができないこととされています。

【コピーを使わずに公衆に伝える事に関する権利】
 コピーを使わずに公衆に伝える事に関する権利には、上演権、演奏権(著22条)、上映権(著22条の2)、公衆送信権・伝達権(著23条)、口述権(著24条)、展示権(著25条)があります。
 上演権、演奏権(著22条)とは、著作物を公に上演したり、演奏したりする事に関する権利です。
 上映権(著22条の2)とは、著作物を上映する権利です。
 公衆送信権・伝達権(著23条)とは、著作物を公衆に対して送信する権利です。無線送信、有線送信が含まれますが、無線送信の典型例が、テレビ放送で、有線放送の例は、ケーブルテレビ等です。
 口述権(著24条)とは、言語の著作物を朗読などの方法によって、口頭で公に伝達する事に関する権利をいいます。
 展示権(著25条)とは、美術の著作物と未発行の写真の著作物のみに認められるもので、これらの原作品を公に展示する事に関する権利です。

【コピーを使ってその複製物により頒布する事に関する権利】
 コピーを使ってその複製物により頒布する事に関する権利には、頒布権(著26条)、譲渡権(著26条の2)、貸与権(著26条の3)があります。
 頒布権(著26条)とは、映画の著作物をその複製物により頒布する事に関する権利です。
 譲渡権(著26条の2)とは、映画以外の著作物をその原作品又は複製物(映画の著作物において複製されている著作物において複製されている著作物にあっては、当該映画の著作物を除きます。)の譲渡により、公衆に提供する事に関する権利です。
 貸与権(著26条の3)とは、映画以外の著作物をその複製物(映画の著作物において複製されている著作物にあっては、当該映画の著作物の複製物を除きます。)の貸与により公衆に提供することに関する権利です。

【二次的著作物の創作・利用に関する権利】
 二次的著作物の創作・利用に関する権利には、二次的著作物の創作に関する権利(著27条)、二次的著作物の利用に関する権利(著28条)があります。
 二次的著作物の創作に関する権利(著27条)とは、著作物を翻訳、編曲、変形し、又は脚色、映画化、その他翻案することに関する権利です。
 二次的著作物の利用に関する権利(著28条)とは、二次的著作物の利用に関する原著作者の権利をいい、二次的著作物の利用に関して、原著作者も二次的著作物の著作者と同一種類の排他的権利を有することをいいます。
 二次的著作物を第三者が利用するときには、二次的著作物の権利者から許諾を獲るのみでは足りず、原著作者からも許諾を得なければ利用する事ができません。

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著作隣接権

【著作隣接権】
 著作隣接権には、大きく、実演家の権利、レコード製作者の権利、放送事業者の権利、優先放送事業者の権利があります。
 著作隣接権とは、著作権に隣接する権利であり、実演家、レコード製作者、放送事業者、有線放送事業者に認められています。
                                                
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実演家の権利

【実演家の権利】
 実演家の権利には、許諾権と報酬請求権があります(著89条、著91条〜95条の3)。
 許諾権には、録音権、録画権、放送権、有線放送権、送信可能化権、譲渡権、貸与権があります。
 報酬請求権には、商業用レコードの放送二時使用料を受ける権利と、貸レコードについて報酬を受ける権利があります。
 実演家とは、俳優、舞踊家、演奏家、歌手、その他の演奏を行うもの、及び実演を指揮し、又は演出するものをいいます。


レコード製作者の権利

【レコード製作者の権利】
 レコード製作者の権利には、許諾権と報酬請求権があります(著89条、著96条〜95条の3)。
 許諾権には、複製権、送信可能化権、譲渡権、貸与権があります。
 報酬請求権には、商業用レコードの放送二時使用料を受ける権利と、貸レコードについて報酬を受ける権利があります。 


放送事業者の権利

【放送事業者の権利】
 放送事業者の権利には、許諾権があり、許諾権には、複製権、再放送権、有線放送権、テレビジョン放送の伝達権があります(著89条、著98条〜著100条)。                                               

有線放送事業者の権利

【有線放送事業者の権利】
 有線放送事業者の権利には、許諾権があり、許諾権には、複製権、放送権、再有線放送権、有線テレビジョン放送の伝達権があります(著89条、著100条の2〜著100条の4)。

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