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坂野国際特許事務所
代表: 弁理士 坂野博行
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 大手企業の知的財産部での7年の経験、及び大手特許事務所(スタッフ100名、弁理士数十名)での8年の経験を生かして、依頼者の立場に沿ったリーガルサービスが可能です。

〒231-0013 
神奈川県横浜市中区住吉町1-6
M・P・S関内 601号

TEL : 045-227-5117
FAX: 045-227-5118

【対応地域】東京都・神奈川県・埼玉県・山梨県・千葉県等の関東一円、及び全国対応

 遠方では、例えば、大阪、九州及び岡山の国立大学法人様からも依頼実績があります。

-更新履歴-

















         知的創造サイクル

  

・目次

  
  ・知的創造サイクルとは?

  ・知的創造サイクルを上手く回すには?

   ・知的創造
   ・権利取得
   ・権利活用

・知的創造サイクルとは?

  







 知的創造サイクルとは、発明者、創作者等が、研究開発、デザイン開発によって、発明をしたり、意匠を創作したりして(知的創造)、その発明又は意匠等によって特許権実用新案権意匠権等を取得して(権利取得)、取得した権利を活用してクロスライセンス、ライセンス交渉、技術移転等の事業を行って収益を上げ(権利活用)、得られた収益を用いて、次の新たな研究開発、投資に使用することによって、事業を展開していくサイクルをいいます。
 





































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・知的創造サイクルを上手く回すには?

・知的創造

 知的創造
 
 
 まず、やはり知財戦略というものが必要となってくると思います。知的創造の部分で、いくら優秀な発明者や創作者、デザイナーを抱えている会社であっても、知財に関するリーガルマインドが全くない、あるいは非常に薄い体質ですと、優れた発明、デザインを評価することができないので、そもそもいい権利の見込みがあっても、特許出願意匠登録出願する前の段階で、埋もれていってしまいます。
 この点、知的財産部は、会社の命運をかけた社長直結の非常に重要な位置づけにある部署の一つと考えられます。
 知的財産部の方は、こういう意味で、誇りを持って、自信をもって業務を行える職場に在籍しているのです。会社の方向性を見極めながら、研究開発に投じる予算が適切なのか、研究テーマの選定に間違いはないのか、年に一度、半年に一度等チェックを行う必要があるかもしれません。
 ある程度の研究テーマの方向性が決まったら、その時点で、当該研究テーマで研究開発を開始してよいのかどうかを判断します。
 かかる判断には、パテントマップの作成も必要かもしれません。「何も調査せずに、研究開発費を投じて発明が完成したので、出願したら、他社の技術が先行して権利化できませんでした。」という話は、結構耳にします。
 これでは、研究開発費はもちろん、重要な時間までも失う事になります。
 こうならないために、競合他社の技術情報を把握しながら、研究テーマを設定することが必要です。
 知的創造は、概ねの研究テーマが決定して、このテーマなら、おおよそ開発費の無駄にはならないとの判断がなされた後になります。研究テーマのGoサインを出すのも知的財産部の担当の方です。重要な会社の政治的決断といっても過言ではありません。
 
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・権利取得

 権利取得
 
 権利取得ですが、これには、2つの方法があります。


【自ら出願する】
 1つはご自身で特許出願実用新案登録出願意匠登録出願をする。書式、様式等の形式的事項は、種々のネット情報、書籍等により分かりますので、書式に整備した書類は提出する事ができるかもしれません。
 ご自分で提出される場合に非常に記載が難しいのが、特許請求の範囲明細書等、の中身の部分です。
 なぜ難しいのか?
 これは、特許請求の範囲は、権利化された場合には、それが特許権の権利範囲を画するという非常に重要な記載部分であり、権利化後では権利書としての役割を果たしているものだからです。契約書みたいなものです。権利書が非常にあいまいであったり、不明確であったり、極めて狭い場合、また、最近では、裁判所でも無効理由を判断できるので、無効理由を含んでいたりしたらどうでしょう?
 使いものにならないただの紙切れになってしまいます。
 代表弁理士坂野は、明細書の書き方を9年くらい特許事務所で訓練してきましたが、最初の3年くらいは、いつも真っ赤に直されていたという経験があります。中間処理は大企業の知的財産部で7年余りも経験していたのでしたが、文章を書くことについてほとんど経験がありませんでした。
 もしどうしても、自社で出願したい場合には、スタッフを特許事務所へ3年から5年派遣して、教育されたスタッフに記載を依頼するか、特許事務所経験があるスタッフを採用するのが良いかもしれません。
 いずれにしても、知的創造サイクルを上手く回すことを考えている場合には、ご自分による出願は時間を取られる割には希望する権利を取る事ができないというリスクが高い方法です。

【代理人に依頼する】
 2つ目は、弁理士等の代理人へ依頼することです。特許事務所にお願いするというよりは、弁理士の方にお願いした方が良いかもしれません。知的財産の業務は、非常に長いお付き合いとなります。特許でも出願から20年間、商標の場合には、その商標を使用する限り、半永久的にお付き合いする事になります。
 慎重に誰に依頼するかを決定することがよろしいかと思います。初めて出願する方は、セカンドオピニオンも行って、ご自分に合いそうな特許事務所を選択されるとよいでしょう。
 特許事務所も所詮は、個人事業なので、組織的になっていない部分もあったりします。また特許事務所選択のポイントですが、これはこうしなければと一方的に決め付けるところよりも(時には、依頼者の真の利益のためにそうすることもありますが)、いくつか選択肢を設けてくれる提案型の特許事務所が良いと思います。
 例えば、ある程度明細書の体裁が出来上がっていて、依頼者がそのまま出願してくださいという場合を除いて、そのまま出願してしまう特許事務所より、リーガルチェックにより2,3のアドバイスや実施例の補充等の提案、サポートをしてくれる特許事務所の方がよいでしょう。

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・権利活用

 権利活用
  

 権利が見事取れました。「これで安心。」ではないのです。知的創造サイクルを上手く回すには、技術移転や、技術の公開も必要です。

・ライセンス活動

ライセンス活動】
 事業方針が転換したり、量産ラインの構築が難しいなどの場合、特許権を処分する手段もありますが、処分してしまう前に、このような技術は他社では欲しがっている技術かもしれません。この場合には、自社特許を売却することにより収入を得るか、自社の特許権等を保有したままで、専用実施権独占的通常実施権通常実施権等のライセンス契約をおこなって、ライセンス料を事業収入として得ることができます。ライセンス料による事業収益は、次の新しい研究開発費に投下することができます。このライセンス収入だけで、年間何億ドルもの収入を得ている企業もあります。非常に大きな収入源となります。

・クロスライセンス活動

クロスライセンス活動】
 製品によっては、1つの製品に何十、何百もの特許からなっているものもあります。かかる場合、他社の特許権を全く使わずに当該製品を製造することが互いに困難な場合があります。また、他社の有効な特許技術を組み込めば、より、コスト低減化、迅速化、量産化等利点がある場合もあります。このような場合にお互いの特許を使わない手はありません。自社の有効特許と、他社の有効特許とをクロスライセンス契約することによって、円滑に、製品製造を行うことができます。互いの特許権でバランスが取れない場合には、差額分がライセンス収入になりますので、やはり、有効な権利を取得する事が重要です。

・技術の公開

【技術の公開】
 特許権は、独占排他的権利ですので、権利を活用しなければ、単に他人を排除するのみで、他社はそのビジネスに参入できません。
 自社製品の市場独占を狙って、そのままライセンスを結ばすに突き進むやり方もあります。
 しかし、どうでしょう?
 特許網が張り巡らせれていそうな製品、例えば、電化製品を見てみましょう。例えば、パーソナルコンピュータ。様々な会社がPCを生産、販売していますが、CDや、DVDを読み取る規格はほぼ標準です。一昔前ですが、ビデオの規格もベーターとVHSとありましたが、普及したのは画質が劣るVHSです。いい製品なのに、標準規格にのらないと、普及しなくなります。ここにも特許戦略があるのです。
 「独占権を活用しないと、自社だけ使える。→技術を開放しない。→他社は全く参入できない。→質は落ちても違う規格が、標準化される。」ということにもなります。
 安いライセンス料でもよいから、技術を開放する戦略も重要であることがご理解できるでしょうか。

 以上、知的創造サイクルの説明を致しましたが、これは、理想的なものです。多くの場合、防衛出願で終わるか、回収もできないまま権利消滅するものです。
 しかし、上記知的創造サイクルを理解して事業活動を行うのと、無計画な知財戦略のもとで事業活動をするのとでは、どちらがリスクが大きいか、特許に関するご案内の項の「特許出願は必要か?」を読んでいただいた方には、よく分かるかと思います。
 
 間違った事業活動を行わないためにも、研究開発の早い段階において、弁理士等の専門家への相談をお勧めいたします。決して無駄にはならないと思います。
 特許事務所は、皆様の事業が順調に進むよう縁の下の力持ちとしてサポートしてくれるはずです。

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