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坂野国際特許事務所
代表: 弁理士 坂野博行
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    PCTを利用した国際出願の

    流れ(PCTルート、フロー)

・目次

 ・特許協力条約(PCT)を利用した国際出願の流れ(PCTルート、フロー)
 ・フローの説明(PCTルートの説明)

     ・日本での特許出願(特許申請)
     ・国際出願
     ・国際出願時に発生する料金(費用)について
     ・受理官庁
     ・国際公開
     ・国際事務局
     ・国際調査機関
     ・国際調査
     ・国際調査報告、請求の範囲の補正(19条補正)
     ・19条補正による補正書を提出する場合に発生する料金(費用)について
     ・国際予備審査の請求
     ・国際予備審査の請求時に発生する料金(費用)について
     ・国際予備審査機関
     ・書面による見解
     ・答弁書
     ・補正書(34条補正)
     ・国際予備審査報告の作成
     ・国内段階への移行手続き
     ・国内段階への移行時に発生する料金(費用)について


・特許協力条約(PCT)を利用した国際出願の流れ(PCTルート、フロー)


※クリックすると当該説明部分へジャンプします。

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・上記フローの説明(PCTルートの説明)


・日本での出願(特許出願、特許申請)


【日本での特許出願(特許申請)】
 通常、日本での特許出願に基づき、国際出願を行います。日本での特許出願が複数ある場合に、関連発明に関するそれら複数の出願について、出願の単一性を満たしていれば、1つの出願としてまとめて国際出願をする事ができます。(国内優先権主張(特41条)、パリ条約による優先権主張(パリ4条等))
 したがって、日本での特許出願は、1つでもよく、複数でも出願の単一性をみたしていれば、国際出願をする事ができます。
 なお、日本での特許出願、特許申請をすることなく、国際出願をすることもできます。国際出願は、WIPO等に対する手数料のみでも(弁理士費用抜きでも)、20万から30万程度、或いはそれ以上かかるので、通常は、しっかり出願内容を吟味して、かつ、まとめる事が可能であれば、いくつかまとめて国際出願した方が、コスト的に有利です。したがって、通常、まず、日本での出願をしておいて、後日、基礎出願(最先の出願)から1年以内に国際出願をするか否かの検討をします。

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・国際出願


【国際出願】
 国際出願とは、特許協力条約(PCT)に従ってされる出願をいいます。
 PCTには、2つの主要な目的、すなわち、一つは国際出願制度の創設による特許出願の手続き面における協力と、もう一つは技術情報の集中、拡散及び技術援助の組織化の面における協力があります。
 国際出願制度は、前者の目的を達成するものです。
 すなわち、PCT設立前までは、外国出願しようとすると、出願人の立場では、各国ごとにその国の特許法が存在するために、その国で定められた書式の出願書類を、それぞれの国の言語で作成しなければならないという事情がありました。
 かかる重複労力を軽減するために国際出願制度が設けられました。
 国際出願は、国内出願の束ともよばれ、一つの国際出願を1か所にすることによって、出願人が保護を求める国において、条件つきですが、それらの国における国内出願としての効果を生じることになります。

 なお、国際出願は、所定の管轄受理官庁に行います。通常、日本国特許庁も管轄受理官庁ですので、日本国特許庁の国際出願課へ願書を提出することができます。
 国際出願するには、専用の願書(PCT/RO/101)が必要です。日本特許庁ホームページから日本語版の、WIPOのホームページから英語版の願書が入手できます。

 国際出願(PCT出願)の願書の様式:
特許庁ホームページURL:http://www.jpo.go.jp/cgi/link.cgi?url=/tetuzuki/t_tokkyo/kokusai/pct_paper.htm

 
 フローにも記載してありますが、先の出願に基づいて国内優先権主張、又はパリ条約による優先権を主張して国際出願を行う場合には、最初の出願の日から1年以内に国際出願をする必要があります。複数の基礎出願が有る場合、最先の特許出願の日から1年以内に国際出願する必要があります。

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・国際出願時に発生する料金(費用)について

  
【国際出願時に発生する料金(費用)について】
特許庁、又はWIPOへ支払う印紙代等 弁理士報酬額(税抜き)
 出願基本手数料(日本語の場合) 260,000円
 請求項割増(2項目以降の請求項1項毎に加算する額 10,000円
 要約書作成手数料 4,200円
 電子化手数料 8,200円
 優先権主張(1件の場合) 15,000円
 優先権主張(2件以降の1件ごとの加算額) 6,000円
 出願図面代(1図面当たり) 4,000円
 技術情報支援料(従量制)(1枚当たり) 6,700円
 追加検討費用(ある場合)(1時間当たり) 22,000円
 通信費その他 実費相当
 国際出願手数料(国際出願の用紙の枚数が30枚まで) 137,000円
 国際出願手数料(国際出願の用紙の枚数が30枚を超える用紙1枚ごとの加算額) 1,500円
 PCT-ROによる減額が適用される場合 -27,900円
 優先権証明用印紙代(1件当たりの印紙代) 1,400円
 送付手数料+調査手数料 110,000円

 国際出願時に発生する料金についても、請求項の数、明細書のボリューム、図面の数、技術分野の違いによって、まちまちです。平均的には、約60万円から約90万円の間が多いのですが、中には、明細書のボリュームによってさらに高額になってしまうものもあります。
 また、実際に各国の国内移行段階では、外国現地法律事務所費用、翻訳料、国内特許事務所費用等がかかりますので、外国出願は、国内出願と比較してかなり高額になってしまいます。 
 したがって、外国出願を検討する際には、十分に内容を吟味して出願することをお勧めいたします。

 例えば、特許請求の範囲が、5つの請求項、明細書のページ数が10枚、図面が1枚、優先権主張1件の場合には、以下のような料金となります。

【特許請求の範囲が、5つの請求項、明細書のページ数が10枚、図面が1枚、優先権主張1件の場合】
特許庁、又はWIPOへ支払う印紙代等 弁理士報酬額
 出願基本手数料(日本語の場合) 260,000円
 請求項割増(2項目以降の請求項1項毎に加算する額 10,000円×(5−1)=40,000円
 要約書作成手数料 4,200円
 電子化手数料 8,200円
 優先権主張(1件の場合) 15,000円×1=15,000円
 優先権主張(2件以降の1件ごとの加算額) 6,000円×0=0円
 出願図面代(1図面当たり) 4,000円
 技術情報支援料(従量制)(1枚当たり) 6,700円×10=67,000円
 追加検討費用(ない場合)(1時間当たり) 22,000円×0=0円
 通信費その他 実費相当
 国際出願手数料(国際出願の用紙の枚数が30枚まで) 137,000円
 国際出願手数料(国際出願の用紙の枚数が30枚を超える用紙1枚ごとの加算額) 1,500円×0=0円
 PCT-ROによる減額が適用される場合 -27,900円
 優先権証明用印紙代(1件当たりの印紙代) 1,400円
 送付手数料+調査手数料 110,000円
     非課税合計 220,500円
     課税合計 398,400円
     消費税 39,840円
     合   計 658,740円+実費相当

 以上は、あくまで概算であります。遺伝子の配列のように配列表を作成しなければならない場合や、菌類の寄託を行う場合等その他別途手数料が発生いたします。
 
 また、特許庁、又はWIPOへの手数料は、頻繁に変更されております。2010年1月1日から、下記のようになっております。


新(2010.1.1〜)
国際出願手数料(国際出願が受理された日に有効な料金が適用されます。) について 最初の30枚まで

118,400円

国際出願手数料からの減額 オンライン出願

26,700円


 特許庁、又はWIPOの手数料については、特許庁のホームページで確認できます。

特許庁、又はWIPOの国際出願(PCT出願)に関する手数料:
特許庁ホームページURL:http://www.jpo.go.jp/cgi/link.cgi?url=/tetuzuki/t_tokkyo/kokusai/pct_tesuukaitei.htm



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・受理官庁


【受理官庁】
 受理官庁とは、国際出願がされた国内官庁又は政府間機関をいいます。受理官庁は、日本国特許庁へ出願した場合には、日本国特許庁になるわけですが、受理官庁では、国際出願がPCTの条約、規則に従って作成しれているかどうかをチェックして、従っていれば、国際出願日を認定します。


・国際公開


【国際公開】
 国際公開とは、優先日から1年6月を経過した後、留保(64条)等の定めによる場合を除き、出願の内容が公開されることをいいます(PCT21条)。
 国際公開されると、公知文献としての役割を有します。出願の内容が公開されると、新規性を失ってしまいますので、その後の関連する発明の権利化が非常に困難となります。これは、論文を発表してしまった後に出願するときの権利化の困難性と似ています。論文等を発表する前に必ず、特許出願、国際出願を済ませるような体制作りが必要です。
 公開された自社特許出願により、後の自社出願が拒絶されて権利化できない、何てこともありえます。十分注意しましょう。→特許戦略初級その1参照

 なお、国際公開は国際事務局が行います。

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・国際事務局


【国際事務局】
 国際事務局とは、機関の国際事務局をいいます。国際公開を行ったり、国際調査報告の結果、19条補正を行いたい場合には、国際事務局へ19条補正を提出します。

・国際調査機関


【国際調査機関】
 国際調査機関とは、国際調査を行う機関であり、国内官庁又は出願の対象である発明に関する先行技術調査についての資料調査報告を作成する任務を有する政府間機関です(PCT16条)。国際調査機関は、国際調査を行い、国際調査報告を作成します。国際調査は、国際出願の請求の範囲に記載された発明に「関連のある先行技術」を発見することを目的とします。
 国際調査機関として、本サイト作成時現在において、日本、オーストリア、オーストラリア、カナダ、中国、欧州(EPO)、フィンランド、韓国、ロシア、スペイン、スウェーデン、米国があります。
 国際調査機関は、国際出願の請求の範囲に記載された発明が、特許性(新規性、進歩性、産業上の利用可能性)を有するものと認められるかどうかの審査官の見解を示します。この見解は、国際調査見解書※といい、国際調査報告と同時に作成され、出願人に送付されます。

※国際調査見解書は、2004年1月1日に新たに導入された手続です。それ以前は、国際出願した発明に対して特許性があるか否かを判断するためには、国際予備審査を請求(フロー中の第2章の手続きを行う(任意の手続き))する必要がありました。
                                          
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・国際調査


【国際調査】
 国際調査とは、関連があると認められた先行技術、又は関連技術が記載された文献のリスト、発明の分類(国際特許分類)、調査を行った技術分野、発明の単一性の欠如に関して行う調査です。


・国際調査報告、請求の範囲の補正(19条補正)


【国際調査報告】
 国際調査報告とは、関連があると認められた先行技術、又は関連技術が記載された文献のリスト、発明の分類(国際特許分類)、調査を行った技術分野、発明の単一性の欠如に関する情報など国際調査の結果を記載した報告をいいます。

 国際調査報告と国際調査見解書を受領した出願人は、国際調査見解書が否定的な見解であった場合には、以下の対応をすることができます。

1)国際出願の請求の範囲の補正(19条補正)を行う。
 国際調査報告で引用された先行技術にかかる部分、又は見解書の否定的側面にかかる部分を補正する事が可能です。補正は、請求の範囲について、1回に限り、国際事務局へ提出することができます。
 但し、否定的見解が解消されたかどうかの確認を行う事はできません。

2)国際予備審査を請求する。国際予備審査機関で更に審査をしてもらい、否定的な国際調査見解書に対して、答弁書を提出できます。また、請求の範囲、及び明細書についても補正をすることができます(34条補正)。この点、請求の範囲のみの補正に限られる19条補正と相違します。
 また、答弁書又は34条補正を行った結果、否定的な見解(特許性を否定する見解)が解消されたか否かを、国際予備審査報告で確認する事ができます。

3)国際出願を取り下げる。
 権利化が困難と判断されれば、各国へ移行手続きを行うことなく、取り下げることにより、各国で発生する各国毎の特許庁手数料、弁護士、弁理士費用を抑えることができます。
 国際公開まえに国際出願を取り下げることができれば、国際出願で出願された発明の内容を秘密に保つ事もできます。

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・19条補正による補正書を提出する場合に発生する料金(費用)について

  
【19条補正による補正書を提出する場合に発生する料金(費用)について】
特許庁、又はWIPOへ支払う印紙代等 弁理士報酬額(税抜き)
 19条補正書提出手数料 65,000円
 通信費その他 実費相当

 応答期限が迫っている等の場合に、EMSなどを利用するときは、その分費用が発生いたします。


・国際予備審査の請求


【国際予備審査の請求】
 国際予備審査の請求は、国際出願された発明の特許性に関する判断(見解)を国際調査見解書に加えて入手したいとき、又は国際出願の内容を補正したいときなどに、出願人が任意で行う請求をいいます。
 多くの場合、特許性の判断材料として、国際調査見解書が得られるので、これで十分と考えられます。
 しかしながら、国際予備審査において、明細書、請求の範囲を補正したい場合、補正後の国際出願で改めて特許性を判断してほしいなどの場合に、戦略的にPCTの活用を考える場合もあります。
 ここで判断される特許性は、あくまで国際予備審査機関が国際的に統一された判断基準に基づいてなされた見解です。したがって、国際予備審査の結果が、国際出願について、国内移行する選択国の実体審査にかかる判断を拘束するものではありません。

 予備審査請求書のフォーム(様式)についても、特許庁ホームページから入手可能です。

予備審査請求書フォーム(様式):
特許庁ホームページURL:http://www.jpo.go.jp/cgi/link.cgi?url=/tetuzuki/t_tokkyo/kokusai/pct_paper.htm


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・国際予備審査の請求時に発生する料金(費用)について


【国際予備審査の請求時に発生する料金(費用)について】
特許庁、又はWIPOへ支払う印紙代等 弁理士報酬額(税抜き)
 国際予備審査請求書作成提出手数料 17,000円
 手続補正書 65,000円
 請求項割増額(補正により増加する請求項1項毎に加算する額 10,000円
 答弁書 65,000円
 請求項割増額(2項目以降の請求項1項毎に加算する額) 3,400円
 引用された引用文献数2件を超える場合に、1件毎に加算する額 6,500円
 通信費その他 実費相当
 請求印紙代 36,000円
 取扱手数料 19,600

 例えば、特許請求の範囲が、5つの請求項で、引用例の数が3つの場合には、以下のような料金となります。

【特許請求の範囲が、5つの請求項で、引用例の数が3つの場合】
特許庁、又はWIPOへ支払う印紙代等 弁理士報酬額(税抜き)
 国際予備審査請求書作成提出手数料 17,000円
 手続補正書 65,000円
 請求項割増額(補正により増加する請求項1項毎に加算する額 10,000円×0=0円
 答弁書 65,000円
 請求項割増額(2項目以降の請求項1項毎に加算する額) 3,400円×4=13,600円
 引用された引用文献数2件を超える場合に、1件毎に加算する額 6,500円×2件=13,000円
 通信費その他 実費相当
 請求印紙代 36,000円
 取扱手数料 19,600円
 非課税合計 55,600円
課税合計 173,600円
消費税 17,360円
 合   計 246,560円+実費相当

 以上は、あくまで概算であります。

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・国際予備審査機関


【国際予備審査機関】
 国際予備審査機関とは、国際予備審査を行う機関を言います(PCT32条)。国際予備審査機関は、本サイト作成時現在において、日本、オーストリア、オーストラリア、カナダ、中国、欧州(EPO)、フィンランド、韓国、ロシア、スペイン、スウェーデン、米国となっています。
 国際予備審査の目的は、国際出願にかかる発明が、新規性、進歩性、産業上の利用可能性に関する特許性を有するか否かについて、審査官の予備的な見解を示す事です。

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・書面による見解


【書面による見解】
 国際予備審査では、国際出願が特許性の基準を満たしているか否かの判断を行い、その結果が否定的な要素を含む場合には、最終的な報告を作成する前に予め、出願人に対して見解書を提示し、出願人に抗弁の機会を与えます。このとき提示する見解が、書面による見解です。
 その際、国際調査機関が作成した国際調査見解書を国際予備審査機関が示した見解とみなします。国際予備審査を迅速に処理するためです。
 書面による見解に対して、以下のような補正書、答弁書を提出することができます。


・答弁書


【答弁書】
 答弁書とは、国際出願にかかる発明の特許性を主張するための書面をいいます。国際調査見解書が出されるようになったので、できる限り、国際予備審査の請求時、遅くとも国際予備審査が開始される前までには答弁書を提出する方が良いでしょう。

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・補正書(34条補正)


【補正書】
 補正書とは、請求の範囲、明細書及び図面についてした補正を提出する書面をいいます。PCT34条に規定されている補正ですので、34条補正と呼ばれています。
 34条補正は、明細書、請求の範囲、図面が対象となります。34条補正は、できる限り、国際予備審査の請求時、遅くとも国際予備審査が開始される前までに提出する方が良いでしょう。34条補正の提出先は、国際予備審査機関となります。


・国際予備審査報告の作成


【国際予備審査報告の作成】
 国際予備審査報告には、国際出願にかかる発明の新規性、進歩性、及び産業上の利用可能性の三要件についての記述、それに関連する説明、その他の意見等が含まれます。その他の意見とは、例えば、国際出願の明細書、請求の範囲及び図面が明瞭であるか否か、請求の範囲が明細書に十分裏付けられているか等についての意見をいいます。

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・国内段階への移行手続き


【国内段階への移行手続き】
 国際出願が、ある指定国、選択国で実体審査をうけるためには、条約が規定する国際段階を経て、それらの国々の国内段階へ手続きを継続させる手続き(国内移行手続きといいます。)を行わなければなりません。
 国内移行は、条約で決められた期間内(通常は優先日から30か月以内)に行われなければならないため、注意が必要です。
 国内段階に移行させる手続きとして、
1)翻訳文の提出
2)国内手数料の支払い
3)国際出願の写しの提出、等があります。但し、3)の手続きは、日本も含め要求する国が少なくなっています。

※2006年7月1日時点で、5カ国の指定国(ルクセンブルグ、スウェーデン、スイス、ウガンダ、タンザニア)は、条約第2条(1)の改正前の国内移行期限である「優先日から20か月までの国内移行期限を維持しています。
 したがって、これらの指定国については、優先日から19か月以内に国際予備審査を請求していない限り、国内移行のための期限は、優先日から20か月となります。これらの国々への国内移行を検討している場合には、特に注意が必要です。

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・国内段階への移行時に発生する料金(費用)について


【国内段階への移行時に発生する料金(費用)について】
各国の特許庁、現地代理人へ支払う費用等 弁理士報酬額(税抜き)
 出願基本手数料(1か国当たり)
 ※日本国を指定しており、日本に国内書面を提出する場合には、国内書面提出手数料:100,000円となります。
160,000円
 出願図面代(1図面当たり) 5,000円
 出願タイプ代(従量制)(1枚当たり) 5,000円
 事務費(2か国目以降に、1か国ごとに発生する費用) 30,000円
 明細書翻訳料(和英) 55円/Word
 優先権証明書翻訳料(和英) 27.5円/Word
 海外振込費用 8,000円
 追加検討費用(ある場合)(1時間当たり) 22,000円
 通信費その他 実費相当
 現地代理人費用+現地特許庁への手数料 約20万〜約30万

 国内段階への各国移行時に発生する料金についても、請求項の数、明細書のボリューム、図面の数、技術分野の違いによって、まちまちです。
 また、現地代理人費用についても、国毎、代理人毎にまちまちです。

 例えば、指定国が、日本、米国、英国の3つであり、出願書類のページ数が15枚、図面が1枚、明細書等の翻訳がワード数5,000である場合には、以下のような料金となります。

【指定国が、日本、米国、英国の3つであり、出願書類のページ数が15枚、図面が1枚、明細書等の翻訳がワード数5,000である場合】
【日本】
特許庁へ支払う費用等 弁理士報酬額(税抜き)
 国内書面提出手数料:100,000円となります。 100,000円
 追加検討費用(ある場合)(1時間当たり) 22,000円×0=0円
 通信費その他 実費相当
 出願印紙代 15,000円
 非課税合計 15,000円
 課税合計 100,000円
消費税 10,000円
 合   計 125,000円+実費相当

【米国】
各国の特許庁、現地代理人へ支払う費用等 弁理士報酬額(税抜き)
 出願基本手数料(1か国当たり) 160,000円
 出願図面代(1図面当たり) 5,000円×1=5,000円
 出願タイプ代(従量制)(1枚当たり) 5,000円×15=75,000円
 事務費(2か国目以降に、1か国ごとに発生する費用) 30,000円×0=0円
 明細書翻訳料(和英) 55円/Word×5,000=275,000円
 優先権証明書翻訳料(和英) 27.5円/Word
 海外振込費用 8,000円
 追加検討費用(ある場合)(1時間当たり) 22,000円×0=0円
 通信費その他 実費相当
 現地代理人費用+現地特許庁への手数料 約20万〜約35万
非課税合計(立替金) 約20万〜約35万
 課税合計 523,000円
消費税 52,300円
 合   計 約775,300円〜約925,300円+実費相当
※出願時にIDS資料を提出する場合には、IDS提出費用が加算されます。

【英国】
各国の特許庁、現地代理人へ支払う費用等 弁理士報酬額(税抜き)
 出願基本手数料(1か国当たり) 160,000円
 出願図面代(1図面当たり) 1か国目(米国)での英語のテキストを使用できる場合は、0円
 出願タイプ代(従量制)(1枚当たり) 1か国目(米国)での英語のテキストを使用できる場合は、0円
 事務費(2か国目以降に、1か国ごとに発生する費用) 30,000円×1=30,000円
 明細書翻訳料(和英) 1か国目(米国)での英語のテキストを使用できる場合は、0円
 優先権証明書翻訳料(和英) 27.5円/Word
 海外振込費用 8,000円
 追加検討費用(ある場合)(1時間当たり) 22,000円×0=0円
 通信費その他 実費相当
 現地代理人費用+現地特許庁への手数料 約20万〜約40万
非課税合計(立替金) 約20万〜約40万
 課税合計 198,000円
消費税 19,800円
 合   計 約417,800円〜約617,800円+実費相当

 以上はあくまで概算です。また、上記では、英語のテキストを使用できる場合に設定しておりますが、英語のテキストを使用できない場合、例えば、中国、ドイツ等へ出願する場合には、別途中国語への翻訳料や、ドイツ語への翻訳料等が加算されます。
 ご不明な点等ございましたら、お問い合わせフォーム等を利用して、お気軽にお問い合わせください。お見積もりについては、無料です。ご安心ください。

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